てごーすの成り立ち

 てごーすのルーツは、1977年に結成された「日本脳性マヒ者協会 広島青い芝の会」の会員が、公的介護制度もない中、施設や家族の元を出て、無償の介護者をかき集めながら、文字通り命がけの自立生活を始めていったことにあります。90年代以降、青い芝の会の人たちの自立生活は、深刻な介護者不足から入退院を繰り返したり、命を落としたりする人が続出するという危機的な状況に直面しました。
 そこで、青い芝の会も参加して主に教育の問題に取り組んでいたNPO「地域で共に学び合う教育をめざす連絡協議会」で始めた介護保障問題への取り組みをさらに本格化させるため、1998年に「障害者生活支援センター・てごーす」を立ち上げ、2001年のNPO法人格取得を経て、現在に至っています。広島弁の「てごうする」(手助けする)が、名称の由来です。全国自立生活センター協議会(JIL)および、DPI(障害者インターナショナル)日本会議に加盟しています。

 てごーすは、全国自立生活センター協議会(JIL)に加盟している自立生活センター(CIL)です。
自立生活センターは、障害をもつ当事者が中心となって運営しており、障がいをもつ人たちの日常生活や社会活動など必要な場面にサービスを提供します。どこでどんな人とどんな暮らしがしたいかなど、基本的な生活プランを生活の主体である障害者自身が立てます。それをサポートするため様々なサービスを提供する機関が自立生活センターです。全国に120か所以上あります。

「自立(生活)とは、そこに住むか、いかに住むか、どうやって自分の生活をまかなうか、を選択する自由をいう。それは自分が選んだ地域で生活することであり、ルームメートを持つか一人暮らしをするか自分で決めることであり、自分の生活―日々の暮らし、食べ物、娯楽、趣味、悪事、善行、友人等々― すべてを自分の決断と責任でやっていくことであり、危険を冒したり、誤ちを犯す自由であり、自立した生活をすることによって、自立生活を学ぶ自由でもある。」

◆アメリカの自立生活運動雑誌「リハビリテーションギャゼット」より

自立とは、自らの人生におけるあらゆる事柄を自分で選択し、自分の人生を自分なりに生きていくことです。選択をするためには選択肢の良い点・悪い点を知らされ、ある程度経験している必要がありますし、一部を選択したり全てを選択しないという選択もあります。

●自立生活とは、どんなに重度の障害があっても、全ての人がその人生において、自ら決定することを最大限尊重され、そのために起こる危険を冒す権利と、決定したことに責任を負える人生の主体者であることを周りの人たちが認めていくこと、そして哀れみではなく福祉サービスの雇用者・消費者として援助を受けて生きていく権利を認めていくこと。

●基本的には、施設や親の庇護(ひご)の元での生活という不自由な形ではなく、ごく当たり前のことが当たり前にでき、その人が望む場所で、望むサービスを受け、普通の人生を暮らしていくことです。

◆全国自立生活センター協議会(JIL)パンフレットより